曖昧に回帰

曖昧に気持ちを記録

久しぶりに本の話がしたい

 

前回本のことをブログに書いたのはいつだろう。最初は本のために始めたはずなのに、気がつけば謎の日記もどきだらけになった。
本のことを書くのは気持ちに波があって、読んでて書く時と読んでるけど何も書く気にならない時がある。
最近はずっと後者だった。読書メーターも登録したり、しなかったり。ずっとまちまち。
でもこれぐらいが読書はいい気がする。趣味だから。趣味ってこうやって続いていくんだろうなあと。義務でもないし。

もういつから何を書いて何を書いていないとか分からないから前と被ってるかも。そんな時もある。

そういえば今日芥川賞直木賞の発表があったそうで。千早茜さんが受賞されていて、おおー!!!となった。
少し前に小説読んだ。他は知らない人だった。天邪鬼なので直木賞芥川賞って言われると余計に読まなくなる。
以前は新人賞とかよくチェックしてたけどここ数年は全然知らないなあ。

 

 

読んだ。何気に初吉本ばなな
名作を読むたびに名作って良いから名作って言われてるんだよな、と思う。
めちゃくちゃ良かった。文章を書くために生まれてきた人なんだなと。
文章が超綺麗。湧き水みたい。癖がないんだけど癖がある、みたいな。表現するの難しいな。
すごく透明な水でするする体内に入ってくる。どんな形容詞も似合わないぐらい癖がないんですよ、それが癖。
優しいとか、美しいとか、綺麗とか、柔らかいとかそんな言葉でカテゴライズできない透明さ。

こういう文章を読むために読書をしているんだと思う。

 

 

誰か読んでください。お願いします。

 

 

アル中のキセキ。作中に出てくる先生がパンチ効いてて良かった。
いや全員パンチ効いてるか。
たまに友達と冗談で消毒用アルコール見て、これ飲む?とか言ってるけど本当にやってる人がいるとは。
霊安室で飲むアルコールはさぞすごい味がするんだろうなと思いつつ。
アルコールを手段として飲み始めたら終わりって本当にそうなんだろうなと思う。味がとかじゃなくて、これでどうにかなろうみたいな。
主人公があんだけ無茶苦茶な飲酒をしてても肝硬変にはまだなってないの人体の屈強さなのか、持ち合わせた奇跡なのか。
いやはや。

 

 

 

アル中には気をつけよう。

 

 

 

そんな感じ。

 

 

 

 

 

青春小説の良さを再確認する夏

 

普段あんまり夏のフェアで小説を買うことがない。年に一冊買ったらいい方。今年は新潮の栞ほしいなと思ったけど特に読みたいな、と思うものがなかった。
のに大垣書店で見つけた。栞は無くなってた。残念、見つけるのが遅かった。
大垣書店結構好き。ブックカバー好き。

 

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初読み作家さん。

すごくよかった。元々青春小説結構好きで伊坂幸太郎の砂漠とか人生の十冊に選ぶぐらい好き。
青春ってすごい曖昧な定義だからこそ正解とかないと思ってて、自分が青春だって思ったり思ってなくても後からあれも青春だったのなあって思ったりするのが青春なのかなと思ってる。きらきらしてなくても後から考えると今はできないきらきらだったりするし。

人と接触することがすごく苦手な休学中大学生が一旦退避として家を出て、一人暮らししながらコンビニでバイトしてラジオ聞いて少しずつ何かが変わったり変わらなかったりという話。
実在するラジオが作中にめっちゃ出てくる。かなり話の柱になってて、なかなかこういう話ないと思うしそこも良い。
アルピーのラジオはもう終わっているみたいなんだけどすごく聴きたくなった。面白い番組だったんだろうなって。ANN全然眠れない時とかに聞いてた。福山さんの魂ラジすごく好きでよく聞いてた。今は推しのSixTONESが同じ枠でラジオをしていると思うとなんかすごいな、となる。

ラジオの距離感って不思議。全然違う場所にいるのにすごく近く感じる。リアルタイムで反応がメールで送られてきたりして、それが捌かれて調理されて盛り上がる。テレビでは味わえない近さ。

ちょっと変わった職人女子高校生だったり、歌い手をしてるコンビニアルバイター仲間だったり、ちょっと無神経でおせっかいな高校の同級生だったりとの繋がりでちょっとずつ主人公が前進したりする。えぐいサボり魔とか、めっちゃ厳しい副店長とかと闘ったり。
アルピーのラジオが一部から二部に戻ったものの続くってなったとことかウルッとなった。
ラジオの良さと立ち止まったり進んだりする青春の良さがどっちも最大量詰め込まれてて本当に面白かった。
夏に読んでほしい。まだ八月数日あるし間に合う。

 

大垣書店が周年記念やっててブックカバーがかわいい。猫ちゃん。
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最近ダイソーでグレーのPP買って物撮りの背景にしているのだけれど色を統一するの難しいな。

 

夜のきらきら。
そんな感じ。

 

 

 

 

寝かせると面白くなることがある

 

本棚が足りない。昔に比べて本を売らなくなってというのもあるし、読むジャンルが増えたというのもある。
そして積読本がまあまあ多いが要因としてかなり大きくなっている。
昔は買ったら読む、買ったら読むしかしなかったし売ることも多かったので、読むけど本棚は空いていることしかなかった。
しかし今は買ったものの読むタイミングを失ったり、読んでみたけどあんまり…でも置いておくかみたいな本がかなり多い。そろそろ意を決して売りに出すべきだと思う。現代売っても大体の本はまた買える。絶版でネット中古も見当たらず右往左往した記憶がある本は一冊しかない。

ただ寝かせて(積んで)おくと数年後に面白くなるという現象は本当にあるんだなあと実感したのが今日の読了本。

 

きつねのほんは猛烈に森見登美彦にハマった時に買ったのだけれど、その時はあまり面白いと思えず本棚の積読コーナーに置いておいた。
多分三、四年は寝かせたと思う。それからも森見作品は定期的に読んだけれどこれだけはずっと手を伸ばさず寝かせた。
急に読もうと思ったのは特に理由がなく、そろそろこの氷山を崩さねばと思い手に取ったのがきつねのはなしだった。
久しぶりに読み始めると、あれ?こんなに面白かったっけというぐらいスイスイ読めた。
全体的に森見作品によくあるどーーん!!!!としたキャラクターはいないかも。だから昔はあんまりだったのかなあ。
変な人は多い。出てくる人はだいたい変。そこは森見登美彦だし、京都が京都しているのもそう。
連作短編集ではないけど、ある骨董店の店名がちょこまかと登場する。あれ、これは連作短編集ってこと?
森見登美彦の変人大放出ドンドコワールドが苦手だけど、不思議系の話が好きな人にはおすすめ。

表題作が一番好きかなあ。でも果実の中の龍に出てくる先輩とか好き。この先輩が一番森見作品の登場人物っぽいかも。
スルスルぬるぬると現実のような非現実のような。その境界線みたいな、繋ぎ目みたいなところが出てる作品が好き。

 

多分私がぬるっとした現実と非現実の合間を描く作品がすごく好きなのは

菜の子先生シリーズに小学生の頃どハマりしたからだと思う。知ってる人いないかなあ。
これ本当に好きで今でもたまに読んだりする。
菜の子先生と小学生の不思議でちょっとした裏側みたいな世界を冒険する話が最高。児童文学って一般文芸とは全く違う良さがある。
前も書いた気がするけど、ハッピーノートとか狂ったように読んでた。子供ではあるんだけど、子供から少しずつ自我というものを持ち始めた年頃の閉塞感とか周りとの距離感とかがあまりにもそれで。あれを大人になってから描けるというのがめちゃくちゃすごいと思う。
主人公と主人公が好きな男の子が本当はどんな状況だったかとか、ちょっと大人びた同級生へのプライドとか。

ああ、懐かしい。多分小中学生ぐらいの時が一番本を読んでワクワクするという体験をしたと思う。
戻りたいかと言われると特にだけど、あの頃の邪念も何もなく読んでいた気持ちをもう一度味わいたいなぐらいは考える。

 

今度久しぶりに名刺代わりの10選考えたい。前にやったのが三年ぐらい前。その頃に流行り始めた記憶があるから、割と長生きなタグな気がする。
なんとかかんとかその時の10選を発掘できたけど、かなり変わっていそう。生きていると変わりゆくものなんだなあと。
あと一冊被っていると、何冊か被っていることがまあまああって面白い。同じ趣味をした人が世の中結構いるんだなあと嬉しくなる。

 

そんな感じ。